#15「羆の楽園~天塩岳~」
今回は日本最北の200名山
「天塩岳」の魅力をお届けいたします。
~MENU~
天塩岳について
天塩川の源流に位置する天塩岳は標高1,558mと道北最高峰(利尻山除く)の山。
前天塩岳・天塩岳・西天塩岳・丸山で形成される山脈で眺望が良い日は利尻山まで見ることができるらしい。
登山口は滝上側、士別側の2箇所あるが滝上側は利用者が少ないので。
士別側がメインルートとなる。
ここでは士別側の登山口に限定してコースを紹介していきます✋
登山口には2階建てのヒュッテがあり一階と二階はそれぞれ独立した入口があり無料で利用できます。
とても綺麗に管理されており前乗りする時には快適に利用できるでしょう。
出発時はヒュッテにて入山届を記入します。
炊事場とトイレも近くにあり駐車場もとても広いので満車になる心配はほぼ無いと思います。
ただ8月上旬には天塩岳速登競争というトレイルランの大会が開催されているため、大会の時は満車になる可能性があるかもしれないので8月上旬に登山予定の方は、開催日程を確認することをオススメします。
天塩岳は前天塩岳コース・新道コース・旧道コースと別れてますが現在は旧道コースは通行できなくなっている様子で、前天塩岳コースと新道コースの2コースを周遊コースとして楽しむこともできるバリエーションルートとなっている。
コースマップ・コースタイムはこちら👇
羆が多い山としても有名で数年前にヒュッテまでの道路が崩落したため通行止めとなり登山ができなくなった時期があった為、余計に羆が活動しやすい環境となった。
前天塩岳~新道周遊コース
コースイメージはこちら👇
js0nが登った日は、平日のガッスガスの日だったので登山者ほぼゼロ👌
・平日の登山者のいないガッスガスの日に
・熊の多い天塩岳を
・一人で登る
のはもはやメンタルトレーニングでしかないことに下山してから気づきましたw
正に、「山の肝試し」w マジ怖かったっす(^-^;
コースについてですが、ヒュッテを出発し、しばらくなだらかな登山道を歩き途中、トランポリンの様にボヨンボヨンしなる架け橋で二度ほど沢を渡りながら進むと連絡路分岐が現れます。
ここを右に進むと新道コース、左に進むと旧道分岐です。
連絡分岐から程なくして旧道分岐に着きます。
右の旧道コースは通行止めになっている様子。左へ進むと前天塩岳コースとなる。
さて、ここからが前天塩岳へのスタートなのですが出鼻を挫くようにいきなり
「ラスボス」が現れます。
展望のない樹林帯を約2時間弱ひたすら登り続けなければならないのです。
しかも結構な急坂っす・・・(-_-;)
前天塩岳8~9合目辺りまでくると森林限界を超え突然展望が開け足元もガレ場へと変化します。
9合目付近に前天塩岳山頂をショートカットする巻き道がありますが山頂からは稜線歩きが楽しめるので天気の良い日は是非、前天塩岳山頂経由をチョイスしましょう☝
「ガッスガスの前天塩岳山頂」
2時間弱頑張ったご褒美のように前天塩岳からの稜線歩きは気持ちが良い・・・と思いますがjs0nは強風、ガッスガスの中、黙々と進み続けました。
前天塩岳からはハイマツを軽く漕ぎながら一旦、下って天塩岳までの登り返しになります。
天塩岳山頂の手前あたりでトラバース気味に登る斜面があるのですが羆の糞が登山道に落ちていました。聞いた話では、この辺りによく出没する羆がいるとのことです☝
「ガッスガス&薄っす薄の山頂標識&ビール」震えながら飲みましたw
天塩岳山頂からは新道コースと重複するので割愛します。
新道ピストンコース
コースイメージはこちら👇
Js0nは基本一人で登山をするとガスります✋
そして嫁と一緒に登山をすると基本晴れます。
なのでリベンジで嫁(晴れの神様)を連れて天塩岳新道ピストンコースへ行くことに。
前回は、ガッスガスだったため登らなかった「西天塩岳」、ピークハンターのJs0nとしては、このままでは納得いかない部分もあったのでリベンジを兼ねてのアタックです。
早朝こそ怪しい天候だったものの登り始めると快晴♪ 登山者も多く熊の心配もなさ気かな・・・と思っていたのですが、羆の糞だらけ(^-^;
中には産みたてホヤホヤの湯気が立っている超巨大な糞もありました。
👆「羆の糞。この倍くらいの大きさの糞もありました」
新道コースは連絡分岐~新道分岐までの間が若干、急坂ですがそれ以降は天塩岳山頂手前まではなだらかで歩きやすいコースが続きます。
途中、小高い丘のような場所があり、コースから少し外れる感じの場所に山頂標識?がある「丸山」があります。
その後、しばらく進むと避難小屋に到着。
三角形の小さな避難小屋、避難小屋の隣にあるトイレも毎日、掃除してるんですか?というくらいとても綺麗でした。
その後も、比較的緩やかな登山道を進んでいきます。
天塩岳山頂は、ずっと肉眼で見えていて結構、遠く辛そうな感じに見えるのですが、視覚的イメージよりは楽に登れると思います。
「避難小屋からの天塩岳山頂」
天塩岳山頂は、周囲の山深さと遠くに見える大雪山系の山々のバランスが印象に残る素晴らしい山です。
辛口評論家の嫁が珍しく絶賛していたので間違いないでしょう☝w
「 調子にのってもう一本✋」
ナッキーに出逢える西天塩岳
新道コースでも触れた避難小屋から西天塩岳へ登れるコースがあります。
西天塩岳はガレた山なのでいたるところでナッキー(ナキウサギ)の鳴き声が聞こえます。
Js0nは鳴き声は聞くものの、一度も姿を見たことがなかったのですがこの山行で初めて見ることができ、しかもボケ気味の写真まで撮ることができました!w
めっちゃ、愛らしくて可愛いんです♡
ナッキーを見たい方はかなりおススメのスポットですよ☝
羆の異常行動
これは後から知ったことですが、嫁と天塩岳新道コースに登った前日、天塩岳山頂付近で登山者が羆につきまとわれトレッキングポールを奪われるという異常行動に遭ったそうです。
その他にも、違う日ですがJs0nの知り合いが避難小屋~天塩岳山頂の間で羆とバッティングしてしまい睨み合いになったとの情報が入りました。
今回、嫁との山行でも超フレッシュな羆の糞を見つけた時に感じたのは
「登山者が多いから安心ではなくあくまでタイミング」なんだということでした。
登山をする以上、避けては通れない熊問題ですが、その為にも、しっかりとした知識と対応をとりたいものです。
※ 羆に対する知識・対策は過去の記事で書いています。
サイドバーの「関連記事」からどうぞ👉
いかがでしたか?天塩岳は羆も多く熊対策が必須の山ですがとても素晴らしい山です。
機会があれば道北エリア最高峰の天塩岳へ是非、登ってみて下さい!
#14「北海道の秘湯~糠平温泉郷の旅」
前回の「焼尻島ぶらり旅」は、生きる上で自分にとって何が大切なのか?を気づかせてくれる旅だった。
今回は、そんな「旅」をリレーしていこうと思います。
「旅」と「旅行」の違いについて
皆さんは、「旅」と「旅行」の違いを説明できるでしょうか?
今、ググろうとしませんでしたか?
その前に、少し自分で考えてみましょう。
検索すれば何でも情報が入る時代ですが、Js0nは調べる前に間違っていても良いから自分なりの答えを出してから検索するようにしています。
さぁ 「貴方の答えは見つかりましたか?」
正解は・・・この記事の最後にお話ししましょう。
糠平温泉郷
地名の由来は、アイヌ語で「ノカ・ピラ」(形のある崖)という意味があり、音更川の沿岸の崖に人の姿に似た岩があったことから命名されたと言われています。
大雪山国立公園内に位置する温泉街は「幻の百名山」と言われる「二ペソツ山」や「石狩岳」など東大雪の山々へのアクセスも容易な場所にある。
ホテルや旅館などが数軒立ち並ぶこじんまりとした温泉街で日帰り入浴もでき、「湯めぐり手形」を購入すると湯めぐりも楽しむことができる。
※コロナの影響で日帰り入浴ができない施設もあるので要確認☝。
周辺のスポット
温泉街から車で10分~15分程度の所に、北海道遺産に指定されているタウシュベツ橋梁があり冬は人造湖である糠平湖が厚い氷に覆われ湖面を歩いて近くまで行くことができる。また、「ワカサギ釣り」のスポットとしても人気の場所であり、凍った湖面の中に気泡ができる「アイスバブル」も見ることができます。
ダウシュベツ橋梁
※引用「糠平湖でアイスバブルを撮影してきた!2度目のアイスバブル。 – 一眼レフカメラ・写真初心者のカメラブログ」
👆これらを楽しむには1月~2月がおススメの時期です。
その他にも温泉街近くにスキー場やキャンプ場もある。
温泉街にある東大雪自然館は入場料無料ですが、東大雪の魅力を十二分に堪能できる有料級のお薦めスポットです!
お薦めの宿
そんな糠平温泉郷の中でも特にお薦めのお宿「山湖荘」さんをご紹介いたします。
糠平温泉街の中でも比較的小さめな建物で古い旅館という印象の外観で入り口には「洞窟風呂」の看板があり飲用温泉も備えれられています。
玄関を開けると古民家を上手に再利用していて古いながらもとても清潔感があります。
チェックインをする際に、館内で着る浴衣と帯を選ぶことができそれだけでも楽しい気分になれます。
お宿のご主人は、とても親切丁寧な接客で、この「おもてなしの心」が更に古民家風の宿を素敵に演出してくれます。正に接客の鏡のようなお方です。
総客室数8室と割と少なめな各部屋には囲炉裏があり少量ですが炭をくべることができます。
一応、小さなテレビ、フリーWi-Fiはありますがデジタルデトックスで静かな時間を楽しむ方が心身ともにリフレッシュできるかと思います。
Js0nは何度もリピートしているので夕食までの時間を部屋でのんびりと過ごすようになりましたが初めての方は、湯めぐりや徒歩数分で行くことの出来る東大雪自然館を楽しむと良いでしょう。
夕食・翌日の朝食は1階になり時間帯も選ぶことができます。
夕食は各テーブルにある囲炉裏でヤマメの串焼き、鹿肉(17品コースのみ)、十勝ハーブ牛、温泉豆腐、等を楽しめ、他にも地元で採れた食材をメインにとても上品で美味しい料理を楽しむことができます。
朝食は「ザ・日本の朝食」という感じのメニューですが鹿肉のシュウマイ、温泉卵、長芋などやはり地元の食材を上手に活かした優しい味付けのおかずに、おひつの米が残ることはないでしょう。
山湖荘さんの最大の楽しみは何といっても「貸切洞窟風呂」です☝
20時~翌朝6時までの間、宿泊者のみ利用可の貸し切り時間となり「入浴中・空いてます」の札を裏返して利用し、男湯・女湯関係なく入ることができます。
条件が揃えば朝陽が洞窟風呂の窓から入り込み神秘的な光景も見ることができるようですがJs0nはいつも泥酔するので見たことがありません(^-^;
貸切洞窟風呂を堪能した後は、囲炉裏を前に炭の燃える音を聞きながら美味しいお酒をいただき床に就いた。
また、山湖荘さんの隣には糠平温泉街唯一の商店「大和みやげ店」さんがあり、アイヌ関連の木彫りの人形などがお手頃な価格で販売されています。
北海道のお酒も豊富に取り揃えてあるので酒好きは必見です☝
年配のご夫婦で経営されており
「コロナの影響はどうですか?」と訪ねると
「かなり影響があってねぇ・・・でもこればっかりは仕方ないね」
と気丈に振る舞うご夫婦を見ていると、少しでも力になれればと日本酒・焼酎・ビールを大人買い。
👆「大人買いしたお酒たち」
とても喜んでくださりこちらまで温かい気持ちになれました♪
旦那さんがもう一つお薦めのお酒を紹介してくれましたがそれは敢えて買わずに
「また来年くるからそのお酒キープしておいてください!」と言うと、優しい笑顔で見送ってくれました。
~最後に~
冒頭の「旅」と「旅行」の違いについてですが
実際は違いはさほどなく
「旅行」は目的地に到達することに重きを置くことや計画性があるイメージに対し、「旅」は、目的地に到達するまでの過程を重視し、いきあたりばったり的なイメージとあくまでニュアンス的な違いで使い分けることが多いようです。
そう考えると今回のJs0nは、目的地が明確な「旅行」と定義するべきなのかもしれません。
ただ、帰りがけにふらっと立ち寄ったお土産屋のご夫婦との触れ合いで、コロナ禍で厳しい状況の中、元気でお店を続けていて欲しいという想いが込み上げ咄嗟に来年訪れるという約束をした自分がいました。
いきあたりばったりの約束・・・
「旅」はまだ終わっていない。
次回予告
次回は
「羆の楽園~天塩岳新道コース~」をお届けします。お楽しみに!
今回の「糠平温泉郷」を以前、動画にしているので見ていただけると嬉しいです。
#13 「〜焼尻島ぶらり旅~」
~プロローグ~
2020年9月上旬。
北海道は短い夏が終わりに近づき秋に向かって走り出そうとしていた。
とは言え、まだまだ力強い朝陽に残暑を感じながら目覚める。
今日は平日休み、しかも2連休。
嫁は仕事なので自由人だ。
天気予報は晴れだったので前日からテン泊登山をしようと準備をしていた。
山の天気も晴れだったのだが、風が強い予報だったのでベッドの中でスマホとにらめっこしながら最終判断を脳に促す。
「 たまには山じゃなく離島にいってみるか…」
前日、用意した登山用のザックに食料と酒、夢と希望を詰め込んで、折りたたみ自転車を車にぶっこんで目指すは「焼尻島」。
突如、閃いたこの判断は、自分の価値観を大きく変えてくれる旅となった。
~焼尻島について~
Js0nの住んでいる地域から約3時間で行くことのできる「焼尻島」。
羽幌フェリーターミナルからフェリーで1時間弱、高速船で40分程度で行くことができる。
一周、約12kmのこの島は、2019年現在で人口198人のとても静かな島だ。
焼尻島はサフォークも有名で潮風に当たって育つ牧草を食べて育つためミネラルが豊富で肉質が柔らかく臭みも少ないと言われている。
年間出荷数も少なく「幻の羊肉」と言われ都内の高級レストランなどにしか流通しない超プレミア級の羊肉だ。
その他には、オンコの原生林があったり、「幸福の黄色いハンカチ」のロケ地となった場所もある。
~上陸~
オフシーズンだからなのか、平日のせいなのか、コロナのせいかは分からないがフェリーを利用する人はまばら(自分を含めて4人)で、観光客風な人はいなかった。
6年程前にJs0nは1度、焼尻島を訪れたことがある。
その時は、夏休み中の大学生や家族連れなど沢山の人たちが焼尻島に訪れ賑わっていた。
焼尻島に到着すると駐在さんが出迎えてくれる。
島への人の出入りをチェックするのが焼尻の駐在さんの日課であり最大の業務なんだろう…
折りたたみ自転車をフェリーから下ろしターミナル周辺を歩いてみる。
ターミナル隣には「島っこ食堂」があり、先述したサフォークを七輪で焼く「サフォークバーベキューセット(焼き野菜、ご飯付)」として2,500円で食べることができる。
※今回は島っこ食堂の営業時間外に到着、出発したため営業しているかは確認できなかった。
その他にも小さなお土産屋とレンタルサイクルの店もあるが共に営業はしていなかった。
~白浜野営場~
今日の宿泊地である「白浜野営場」へと向かう。
正直、思い付きでふらっと焼尻へキャンプをしにきたので大した下調べもせず不安があった。天候は大丈夫か?野営場は利用できるのか?野営場が利用者でいっぱいだったらどうするか?など、色々なことを考えていた。
だが、フェリーターミナルに着いたとたんそんな不安は無くなっていた。
6年前の光景とは全くの別世界だった・・・
ゆらゆらと筋を引く不思議な形の雲・・・最高の天気・・・だけどあの時と違うのは
「この島に一人だけ放り出されたような孤独感。」
それはある意味、この島を独り占めしているような優越感と無人島にいるような恐怖感が混在したような感覚だった。
フェリーターミナルから焼尻島のメインストリートへと向かう・・・とは言っても焼尻のメインストリートは民宿が2~3軒と郷土資料館、駐在所、商店が2軒くらいの街並みだ。
勿論、コンビニというものは無い。焼尻の商店は、言い方は悪いが「本当にやっているのか?」と思うような雰囲気でキャンプ用の食料調達は期待できない。
過去に訪れた時にそれが分かっていたため登山用に用意した食料と酒を自宅からそのまま持ってきた。
野営場へと向かう途中、フェリーターミナルから「ただ今のフェリーで入島された皆様へ、新型コロナウィルスにより・・・」と注意を促すアナウンスが流れる。
多分、よそ者は自分だけ・・・自分に向けられたアナウンスをしっかりと受け止めながら荷物の重さで何度もウィリーしそうになる自転車を漕ぎ続けた。
白浜野営場へ到着すると先客はおらず貸し切りだった。
この野営場は、海に直接階段で下りていける場所がある。
圧倒的絶景と開放感の中、とりあえずビールを飲む。
波と風の音以外の音は何も聞こえない。日常生活とは乖離したこの世界。
その違和感に何度も吸い込まれそうになり怖いくらいだった。
恐怖心を振り払うように人工的な音を立てながら特等席にテントを設営した。
〜サイクリング〜
「日没までには、まだ時間がある。さて、何をしようか?」
設営したテントに荷物を置き、自転車で島を一周してみる・・・
傾きはじめた夕陽を背に、誰もいない海岸線を潮風に当たりながら自転車を漕ぐ。
すぐ近くに見える島は「天売島」。
焼尻島とほぼ同じくらいの大きさだが人口が2017年現在で317人と焼尻と比べて多く観光スポットも多い為、焼尻より人気がある。
運がよければアザラシに会えるらしいので注意して探してはいたが結局、見つけることが出来なかった。
島の北側にくると、「幸福の黄色いハンカチ」のロケ地の看板があるが正直、何処なのかあまりわからない。
漁港を過ぎ更に自転車を走らせると「観音崎展望台」がある。
先月に行った利尻島が遠くにうっすらと見えている。
しばらく、利尻旅行のことを回想し野営場へと戻った。
〜静かな時間〜
野営場に戻るともう一人自転車でこられているキャンパーさんがいた。
よそ者が自分だけじゃないことに少し嬉しくもあり残念でもあった。
キャンパーさんと軽く挨拶を交わし、お互いがお互いの時間を邪魔しないように気遣った。
ビールを飲みながらくつろいでいると夕陽が自転車の前輪に沈んでいく。何となく画になりそうでカメラを手に取ってみる。
「一人きりのこんな静かな時間はいつぶりだろうか…?」
そんな事を思っていると、大切な事を思い出す。
「やべっ!嫁に焼尻きてるって連絡してねーわ」
慌ててLINEを送る。
Js0n「すみません。ふらっと焼尻まできました・・・」
嫁「はっ!?ふらっと行くとろじゃないよね?」
Js0n「すみません(汗) 明日戻ります・・・」
嫁「ちょっと自由過ぎん?まぁ楽しんで」
と若干冷たいものの理解のある嫁で助かった。
日も暮れ、一人きりの宴を楽しんだ。
〜月光〜
夕陽が沈みランタンに火を灯す。暗くなると余計に波の音が大きく感じた
・・・と、思っていたら夕陽と入れ替わりで月明かりが辺りを照らしだす。
もう一人のキャンパーさんもこの時間を楽しんでいるようだ。
遠くに見える明かりは北海道本土の街明かり、灯台のサーチライトが規則正しく本土を照らす。
ランタンがいらないくらいの月光は、よそ者二人を歓迎するかのように優しく照らしてくれていた。
酒も底をつきテントの中に入る。
ほどよく疲れた身体に一人用の小さなテントの空間は、外界と遮断され秘密基地のような安堵感を感じる。
ゆっくりと過ぎる時間の中、太陽を追いかけるように月も西へと傾いてゆく。
明日の予定なんて考える思考能力もなく就寝についた・・・
~東雲~
静寂というものは、時に自然の音を強調させる。
さっきまで当たり前に受け止めていた波の音が非常に大きく感じ目が覚める。
テントから出てみると月明かりで隠れていた星が姿を現していた。
慌ててカメラを準備する。慣れない星空撮影で四苦八苦しながらファインダーを覗いていた。
次第に周囲が明るくなりはじめる。
朝陽が昇る方角に椅子を向け東雲(しののめ)に薄れゆく星を捕まえてみる。
~オンコ原生林~
早朝、自転車を走らせオンコの原生林へと向かう。
昨日、飲みすぎて喉が渇いていたため途中、数少ない自動販売機で飲み物を購入する。
焼尻島民はコーラが好きなのかどこの自販機もコーラが売り切れている。
アクエリアスとブラックコーヒーを購入し原生林へ到着。
散策路は整備されていて歩きやすい。
自転車も乗り入れることができるので歩行者に注意してサイクリングも良いだろう。
焼尻のオンコの木は、四方八方から吹く強い浜風や冬の積雪の影響で高く育つことができず、奇形な木が多い。
苦しそうに叫んでいるように見える木や、クルリと捻じれた木など1本1本表情が違うので見ていて全く飽きない。
ひと際目立つ巨木は焼尻の天狗に纏わる伝説がある。
約1時間ほどゆっくりと鑑賞しながら植物からパワーを充電させてもらった。
~地元の若者~
野営場へ戻るともう一人のキャンパーさんはテントを撤収している最中だった。
帰りのフェリーの時間も近づいていたのでテントを片付け身支度をする。
途中、地元の人しかわからないような道から学生風の男女5~6人がカメラを持って海辺へ向かっていった。
身支度を済ませフェリーまでの残り短い時間を名残惜しむように、この光景を目に焼き付ける。
海辺では若者たちが楽しそうにはしゃいでいた。
~フェリーターミナル~
フェリーの出発時間が近づき、フェリーターミナルへと向かう。
この島は、猫がとても多い。飼い猫なのか野良猫なのかはよくわからないが人間に対する警戒心は全くない。
フェリーの待ち時間の間、猫にカメラを向け時間を潰す。
フェリーの出発時間が近づくと野営場で一緒だったキャンパーさんも同じフェリーで帰るようでしばらく会話を楽しんだ。
また、再びこの島に来ることを自分自身に約束しフェリーに乗り込んだ。
~エピローグ~
この島は何もなく退屈な島だという人が多いが「何もない」「退屈」とは一体なんだろうか?
少なくとも野営場にいた若者たちの笑顔はこの環境を何もない、退屈だとは思っていないはず。
もしも、何もないと感じるのならば
『何もない』
ではなく
『見つけようとしていない』
だけなんだ。
約20時間この島に滞在してみて・・・
楽しみとは娯楽施設があるとか、豪華な食事やホテルとか、お金で何でも手に入るとかそんな物理的なことではなく
何もない中で、何を見つけ、感じ、喜び、感動し、泣き、笑えるか?なんだと感じた。
楽しみは常に『自分の心』の中にあるということを改めて気づかせてもらえた旅だった。
#12 「利尻島のおススメスポット!」
さて、前回は、利尻山について書きましたが今回は、利尻島のオススメをご紹介します。
一周約55kmのこの島を、1日で2周したJs0nが、独断と偏見で厳選したオススメスポットです。
~MENU~
RERA MOSIR~レラモシリ~
Js0nが宿泊したのが「RERA MOSIR~レラモシリ~」さん。
全国どんぶり選手権でグランプリを受賞した「うにめし丼」がこちらで食べることができます。ウニの釜めしにイクラと尿酸値激上がり必至の極上メニューです👍
その他、利尻山登山(鴛泊コース)の拠点としてとてもアクセスの良い場所にあり、利尻山を眺めながら入浴できる露天風呂、自然を感じるテラス、お洒落な雰囲気の館内、感じの良い接客、そしてここのオーナーさんは利尻のアウトドアを知り尽くされている方なので分からないことは何でも教えてくれます。
超おススメですよ!
ペシ岬
標高約90mの岩山で別名「灯台山」と呼ばれている。
鴛泊フェリーターミナルからほど近い場所にあるこのペシ岬はとても興味が湧く存在感があり登山をしない方でも是非登ってみていただきたいスポットです。
頂上までは結構な勾配の坂道の為、念のためスニーカーなどを履いた方が良いでしょう。Js0nはサンダルにビール飲みながら登りましたが靴ずれしましたw
プチ登山を体感できるとても素晴らしい場所です☝
姫沼
鴛泊を起点として時計回りに島を回るとまず現れる第一スポット。
Js0nが行ったときは生憎の雨でしたが、風がない日は「逆さ利尻富士」も見ることができる絶景スポットです。
沼の周りには木道が設置されているのでとても歩きやすく自然散策ができます。
オタトマリ沼
利尻島最大の沼で周囲約1.1km。オタトマリとはアイヌ語で「砂浜のある入江」の意。
ここでも「逆さ利尻富士」を見ることができるビュースポットになっている。
「白い恋人」のパッケージがこの近く(沼浦展望台)で撮影されたことで知られている。
仙法志御崎公園
ここではアザラシに餌やりができます。
愛らしいアザラシと戯れることができてJs0n的にはかなりテンションが上がったスポットです。動物好きならここは行くべきでしょう☝
他にも利尻昆布などを販売しているお土産屋さんがあります。
注意⚠ ここのエリアはウミネコが多く、道路でたくさん轢かれてしまっています。
どうか、車の速度を落としてウミネコさんを守ってあげてください。
北のいつくしま弁天宮・寝熊の岩・人面岩
海に向かって続く神社、昔、嵐で岩にぶつかりそうになった船を弁天様に救われ、その感謝の意を込めて建てられた神社だと言われています。
利尻島には神社が沢山あるので神社が好きなら神社巡りをするのもありかと思います。
寝熊の岩、人面岩はこの神社から徒歩で見ることのできる場所にある奇岩です。
寝熊は言われてみるとそう見えますが人面岩はキリストがねじり鉢巻きを巻いているようにしかみえませんw
まつや食堂
利尻で有名なラーメンと言えば「味楽」さんですが、生憎とても混んでいたため断念し他のお店を探していた時に偶然みつけたのが「まつや食堂」さん。
昔ながらのお店って感じで店内に入ってみると明らかに観光客ではなく地元のお客さんで満席だった。
お店の方もとても温かく、フレンドリーな感じでした。
メニューはラーメン(味の選択はなし)とカレーのみでどうせならとセットを注文。
カレーは家庭的な味を連想したが意外にも若干、スパイシー感があり美味しい。
そして何より、ラーメンが絶品だった。昆布出汁が効いたあっさりした昔ながらの優しい味にJs0nも嫁も大絶賛!
このラーメンを食べにまた利尻に来ようと嫁と約束したほど美味かったです。
何より、地元のお客さんで賑わっているってなんかいいですよね♪
富士野園地展望台・ポンモシリ島
利尻島の北部にいちする富士野公園展望台。隣には夕日ヶ丘展望台がある。6月下旬~7月中旬にはエゾカンゾウが見ごろになる。
展望台からはポンモシリ島が見ることができる。
ポンモシリとはアイヌ語で「ポン(小さい)モシリ(島)~小さい島~」という意味がある。
まとめ
いかがでしたか?
この他にも、無料で足湯が楽しめる場所や自然散策できる場所、利尻山は無理だけど登山がしたいという方向けの山などまだまだ沢山あるのですがまた次の機会にご紹介したいと思います。
次回予告
今回は北海道の離島、利尻島についてでした。
次回は北海道の離島をリレーし「〜焼尻島ぶらり旅~」をお伝えします。
お楽しみに!
#11「最北の百名山~利尻山 鴛泊コースガイド~」
北海道は徐々に雪解けが進み微かに春の気配が感じられるようになってきました♪
そんな中、雪が解ける前に何としてでも冬キャンプをしてやろうと計画中のどうもJs0nです✋
今回はこんな方に特にオススメの記事となってます。
・「利尻山に登る予定で情報が知りたい」
・「いつかは、利尻山に登ってみたい」
・「行ってみたいけど中々、タイミングが…」
という方向けです。
Js0nも離島ということでハードルが高く決断までに時間を要したので経験談などを交えながら皆様に少しでも有益な情報となればと思っております。
※登山コースの説明は「鴛泊コース」に限定しています。
利尻山という山について
【利尻山】
標高1,721mの独立峰。「利尻富士」とも呼ばれる。
現在は火山活動の兆候はない。
登山・クライミング・バックカントリー等、年間通して様々なアクティビティが楽しめる人気の高い山。
登山コースは「鴛泊(おしどまり)コース」・「沓形(くつがた)コース」・「鬼脇(おにわき)コース」があるが、「鬼脇コース」は崩落が激しく七合目以降は登れなくなっている。
鴛泊コースと沓形コースは九合目付近で合流しそこから山頂(北峰)までは同じルートとなる。
鴛泊コースが最もポピュラーなコースで登山者も多い。
沓形コースは難所が多くあり、上級者向けのコース。
尚、南峰(1,721m)が本来のピークだが、登山道崩壊の為、北峰(1719m)が実質上ピークとみなされている。
また、鴛泊コースには日本名水百選にも指定されている「甘露泉水」があったり、「花の百名山」にも選定されるなど、登山者の心を掴んで離さない魅力が盛りだくさんの山だ。
【生き物の不思議】
北海道本土には当たり前にいる「羆」「エゾシカ」「キタキツネ」「蛇」などが利尻にはいない。
登山をする上で、熊のリスクや、エキノコックスのリスクを考えないで良いのは非常に気持ちが軽くなる。
その反面、どこの島にでも比較的当てはまることだが猫が多い。避難小屋の中にも「猫に餌を与えないでください」と山では見たこともない注意書きがあった。
近年、約百年以上ぶりに羆の痕跡が確認された。百数年前も今回も北海道本土から泳いで来たとみられている。
現在も生息しているかは不明でしばらくは注意が必要だ。
【問題点】
登山者の増加で九合目から山頂までの登山道が侵食して補修作業が行われています。
この状態が続くといずれ利尻山は登れなくなるとさえ言われており更なる対策強化も検討されています。
その為、利尻山を登る際には、下記の3つのルールを遵守してください。
・携帯トイレの携行。
・ストックの先端には必ずゴムキャップをつける。
・植物の上に座らない、踏み込まない。
その他にも小さい石でも下方へ落とさないよう心がける等、当たり前の事を徹底しましょう。
鴛泊コースガイド
今回、ご紹介するのは「鴛泊コース」です。
ルートイメージはこちら👇️
コースタイムはゆっくりのんびりで12時間みていたら間違いないでしょう。
【北麓野営場】
鴛泊コースの登山口は北麓野営場の管理棟で入山届を記入しスタートします。
管理されていてとても綺麗な野営場でした。
自動販売機あり、携帯トイレ用ごみ箱、その他のゴミ箱あり。
季節にもよりますがコースタイムが長いので日没時間から逆算し更に1~2時間余裕を持った方が良いでしょう。
Js0nは、嫁と一緒に行ったので嫁の体力を考えて余裕を持って12時間+1時間で最悪午後5時には下山と考えていたので午前3時半頃、野営場へ到着し4時前には出発しました。結果、午後3時過ぎに下山できて自分で言うのも何ですが理想的な計画だったと思います。
【甘露泉水】
日本名水百選にも選ばれている湧水「甘露泉水」は登山口より出発し10分~15分くらいの場所にあります。ここから先は水場はありません。長丁場の登山コースなので万が一の為の予備の水もここで補給しましょう。
【五合目~雷鳥の道標~】
森林浴をしながら程よい傾斜をしばらく進むと五合目の標識が現れる。体力に自信があっても先は長いのでここで一本(休憩)立てよう。
ちなみにJs0nは前日のみ過ぎて猛烈な二日酔いに悩まされここで迎え酒を敢行。見事に復活を遂げる。
【第一見晴台】
五合目からしばらく登ると第一見晴台に着く。
やっとここで展望が開けてくるので景色を楽しみながら行動食や朝食を楽しむと良いでしょう。
この6合目時点での風の強さで登山を続行するか否かを判断するという話もあります。
※トイレブースあり
【七合目~胸突き八丁~】
第一見晴台から30分ちょっとで七合目~胸突き八丁~に到着。展望もあまりないので先を急ぎたくなるが、この後のキツイ登りに備えてここは、靴紐、ザックの調整などを再確認する意味も込めて一呼吸おきましょう。
【第二見晴台】
小休憩ポイント
※トイレブースあり
【八合目~長官山~】
ここからの山頂もとても素晴らしい。
本当はここで十分・・・いやまだまだ先は長い。
【避難小屋】
八合目から10~15分ほどで避難小屋に到着。宿泊用ではありません。
ここから一旦、下って登り返します。
※トイレブースあり
【九合目】
ここまで来ると後少しと気持ちばかりがはやるが、最後の登りがまた結構キツイ(^-^;
少し休んでストレッチなどで身体をほぐそう。
九合目斜面に咲く花たち
【山頂】
一歩、一歩、無理せず自分のペースでゆっくりと登りましょう。登っているときはあまり高所感はないのですが実際は…
「RERA MOSIR」 👈こちら
利尻のペンション「RERA MOSIR」さんのホームーページの動画です。
凄いでしょ!? 登ってる時には、こんなところを登ってるなんて実感は全くありませんが、やべー所登ってますw
山頂の動画です。短いですが雰囲気だけ✋
山頂で、昼食とお決まりのビールをいただきました。
憧れの利尻山に登頂でき、何とも言えない達成感が込み上げてきたのを今でも鮮明に覚えています。
北海道に住んでいても利尻に行くまでの工程や天候等、様々なハードルがありどうしても足踏みしてしまうことが多かったのですが、利尻山登山を決断した最大の理由は、
「今後、利尻山に登れなくなるかもしれない」という想いでした。
今見ている景色は、次に来た時にはもう見ることが出来なくなるかもしれないという想いで山頂にいると少しでも長く留まりたいという気持ちに支配される自分がいましたが、名残惜しい気持ちを「また絶対ここにきます!」と利尻山神社奥宮に手を合わせ決意表明に替えて下山した。
本当に素晴らしい絶景でした!
【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
今回は「鴛泊コース」のみのご紹介です。
自分が実際に体験したところだけの紹介です。
すみません。
次回予告
次回は利尻をリレーして、「利尻島にいくならここ!」をお伝えします。
お楽しみに!