今回は、アイヌ民族最後の熊撃ち猟師と言われた方のお話をリレーしていこうと思います。
アイヌ民族の熊撃ち猟師
アイヌ民族にとって、熊を狩るということは、とても神聖なことで「神様を家に招待すること」を指すという。
また、熊狩りのために、山へ入るときは狩りの拠点になる小屋(クチャ)を作り火を焚き、火に魂を込めお酒を捧げ無事に狩りが終わることを火の神(アペフチカムイ)に祈願したという。
熊猟は、狩り小屋(クチャ)を拠点とし、羆が冬眠準備を始める頃から冬~春先に行われ穴籠する穴を見つけ出し出てきたところを撃つという手法でアイヌ犬を連れることが多いという。
しかし、どうやって穴籠の穴を見つけていたのだろうか?
カラスの知能の高さと助け合い
そこでアイヌの熊撃ちが穴籠の穴を見つける判断材料にしていたのが「カラス」の存在だ。
カラスは、高い場所から獲物を探していて羆の獲物であっても隙あらばと狙っている。
そんなことからかアイヌの猟師はカラスが泣く場所に熊や鹿などの動物がいることに気づいたという。
そして、熊撃ちが羆を獲ったら人間が食べない部位の肉を小さく切り木の枝に丁寧に刺してカラスに分け与えたという。
そういったことの繰り返しで知能の高いカラスは身の危険を感じ、通常鉄砲を持った猟師には近づかないはずなのに熊撃ち猟師を区別して認識するようになり後をついてくるようになった。
そして、カラスが上空をぐるぐる飛び回り鳴いている場所には穴籠りの穴があり羆の居場所を完璧に教えてくれる信頼関係を築き上げ、相互に恩恵を受け合うパートナーになったといわれている。
なのでアイヌの猟師たちは「カラスが鳴かない山=獲物が少ない不作の山」と判断していた。
最後に
いかがでしたか?アイヌの熊撃ちとカラスの意外な信頼関係に驚かれた方もいたのではないでしょうか?
今は、このような関係は無いのかもしれませんが
山でカラスが鳴いてぐるぐる飛び回っているようなことがあったら・・・そこに羆がいるかもしれません。
信じるか信じないかは貴方次第です☝w